新校舎が完成した。これで、天気を気にせずに学校に行くことができる。
朝早く登校して、陰を探さなくて良い。
でもね、ここからが地獄なんだ。
完成したのは、校舎の建物だけで、ここから花壇を造り花を植え、池を造り魚を養なわなければならない。
例によって、やれ堆肥を提出せよ!だの、芝生を持ってこい!なって通達が発せられる。
更に緑を増やすことに飽きたらず、本格的な庭園造りをするために、山から石を運びだす、等というとんでもない事を計画してやがったんだな。
ここからは、メールマガジンの原稿を直接載せる。面倒くさいからね。
全校生徒135名による校内緑化は順調に進む。
生徒によって学校に持ち込まれた堆肥は、花壇に入れられ、ダリア、アスター、パンジー、百日草などの栄養源になるのだった。
緑化は花壇のみならず 中庭及び学校の裏山に渡って行われる。裏山はモクマオウがうっそうと茂り昼なお暗い深山の趣。こんなところに木を植えてどうする。森林組合かお前達は。
教職員組合の迷走は続く。中庭に石を置こうと言い出す。あのね、ここは学校で家の庭じゃねえんだよ!その石も賽の河原で亡者が積み上げるケルンのようなものでない。容積にして1立方メートル、重量2トンという代物だ。でかいぞ。石を通り越している。最早、岩だ。さて、石はどこにあるのだろう?
迷走は続く。暴走と言い換えてもいい!メンバーはガコー校長、原人北京(6年担任)、どすこいショージロー(5年担任)の3名。こいつらは児童の安全について毛ほども案じていない教職員なのだ。学校教育法を遵守しろよ。児童は労働者じゃないんだ!
石は学校の裏山の麓に鎮座している。花壇まで約150m、標高差20mの位置だ。
で、この石じゃなくて岩を運ぶ方法がすばらしい。全て人力。危険な作業ということで5年(16名)6年(14名)の高学年男子児童30名が戦士もとい作業員として選抜された。国家総動員令みたいなもんだ。
さて、問題の岩は斜面の上部から児童30名の手で押される。しかし、岩といっても30名が同時に押せないものだからちっとも動かない。
動いたと思えばとんでもない方向に転がって、校内緑化で植樹した樹木をなぎ倒しながら転がるのである。まるで大量破壊兵器もかくやの大活躍。とても目的が校内緑化であると思えない所業だ。作業はとん挫する。
一計を案じた当局は鳩首会談を始める。悪巧みを仕掛ける悪代官。悪代官の協議の結果、運動会で使用する綱引きのロープが体育用具室から現場へ運び込まれた。
児童は不安な面持ちで遠巻きに見守る。
悪代官はロープを岩搬出現場まで運搬した後、かねてからの手筈に従い岩にぐるぐる巻き付ける。ロープの一端は斜面の麓下方に延ばされる。
説明によるとこのロープを児童生徒30名で引けば岩は転がるとの説明だ。
そりゃー転がるだろうよ!ロープは下で引いてるから引力と引っ張る力で間違いなく転がるさ!それも下でロープを引いてる児童30名に向かって転がるからね!
危ない話しだ。子供の人権とか生命の安全とか考えないのか。助けてくれ、ユニセフ!
作業は再開された。でもね、いくら小学生といえ命は大切なんだよ。最近は健康ブームで「健康の為なら命は惜しくない。命より健康が大事」の風潮なんだけど当時は命がより大事なのだった。
子供たちは悪代官の「セーノ」の声に合わせてロープをひかされる。しかし、皆、逃げ腰で引いてるのでちっとも動かない。また、岩がちょっとでも動けば蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。
一向に進まない作業に手を焼いた悪代官は、こう叫ぶのっだった。
「先生が逃げろと言ってから逃げなさい!」
まるで戦争の前線部隊で敵前逃亡は軍法会議にかけて銃殺刑と脅す鬼軍曹もしかり。
悪代官の脅しにより岩は所定の花壇近くまで転がされて来た。
「セーノ!」「逃げろっ!」「セーノ!」「逃げろー!」の繰り返しで。
しかし、まだ安心できない。花壇の近くはダイナマイトによる敷地造成工事で元地盤より約7mほど掘削され、傾斜40度くらいの斜面。岩は最終の斜面上部まで転がされあと、一引きで斜面を止めどなく転がる位置にある。
児童は岩が転がり始めると同時に四方へ飛んで逃げる。
ごっ ごっ ごっ!と鈍い音を立てて転がる岩の音を背後に聞きながら。
後ろを振り向く余裕はない。ただひたすら逃げる。
岩は1個ではなく5個くらいは運んだな。平良荷川取に人頭税石というのがある。
わが級友達は思っている。人頭税より人頭税石を運んだり建てたりすることが大変なんだと。人頭税はたいしたことないね!きっと?